須海日記

すかいねん・すうみ

【詩】暗闇を越えて

暗闇に消えていったあなたの背中はいつもより小さく見えた

出会った頃のあなたの眼はもっと輝いていた

私に出会う度に輝いた眼を私に見せてくれた

とびっきりの笑顔と共に

 

暗闇に向かう僕の背中は君の眼にどう映っているのだろう

出会った頃の僕はきっと今よりも素敵だっただろう

君に会うことがどれほど嬉しかったことだろう

君も僕に応えてくれたよ

 

あなたはいつから変わってしまったの

僕はいつからこんなにつまらない人間になってしまったのだろう

 

私を見てくれるあの人を返して

 

暗闇の先には僕を笑顔で迎えてくれる人がきっといる

あの頃の君よりもずっとキラキラしている

僕よりも素敵な笑顔で迎えてくれる

長い闇を早く抜けたい

 

あなたの帰りを待つ私をあなたはどう感じているのだろう

根拠のない期待を胸に抱いている私

根拠のない夢を抱いているあなた

ねえ、早く戻ってきてよ

 

誰かがあの僕を奪ったのはいつ

あなたが私を愛すのをやめたのはあの時

 

早く僕を取り戻したい

 

暗闇を走り始める僕を

私は追いかけ始める

 

真っ直ぐ走り出した僕はもう誰にも止められない

追いかけて声を上げる私 ねえ早く振り向いてよ

 

闇の向こうに光が見える

あなたはさらなる闇に向かっている

 

ただ虚しさだけが僕を包んだ

ただ悲しさだけが私を包んだ